2007年08月04日
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教育とは何か・リボーンに見る「指導者に逆らう」という教育の完成形!?

Written By: トーノZERO連絡先

 最近になって気付きました。

 家庭教師ヒットマン REBORN!のオープニング曲の最初に連呼されるフレーズのうち、最初の方は"Boys & Grils be ambitious"で、これはもちろんクラーク博士の「少年よ大志をいだけ・Boys, be ambitious」のもじりであって、この作品が教育をテーマにした作品であることの1つの表明になっているわけですね。

 それはさておき。

 おおきく振りかぶっての第17話 『サードランナー』で感心したのは、敵側の監督が罵倒と絶対服従を要求しつつも、選手側が活発に試合中に発見したことを報告している描写です。つまり、優勝候補チームの選手に対して行われる教育の理想型として、絶対服従と表裏一体としての自発的な提言が存在することが描かれています。

 そして、今日のリボーン、標的43「20年後の雷撃」です。

 今回の終盤の展開はまさに優れた教育アニメとしての痺れるような見事な展開を描いていますね。

 ボンゴレリング争奪戦の試合でまさに殺される瀬戸際に立たされたランボ。試合に手を出したら敗北だと制止するリボーンに対して、ツナはランボの命を守ることを優先します。

 ここで見られるのは、絶対的かつ圧倒的な師匠に対するツナの反逆です。

 しかし、その態度を見て反逆されたはずのリボーンは微笑んでしまい、死ぬ気弾を撃つという協力までしてしまいます。

 この展開は、表面的にはリボーンに対する反逆でありながら、実際にはリボーンが行った教育が実を結んだ証明になっていたのでしょう。

 つまり、マフィアのボスになる……ということは、時として目先の利益を捨ててまでファミリーを守る立場になることであり、それは他の誰でもない、ボス自身が決断しなければならないわけです。そして、ツナはまさに「誰に言われたわけでもないのに」自ら自発的にその決断を行います。

 実に見事なシーンですね。

 本当に素晴らしい。

 あるべき「教育の勝利」とは、指導者に対する絶対服従を遂行する人間を作り出すことではありません。天狗の鼻をへし折りつつも、自分のすべきことを自分で考えて遂行する人間を作り出すことにあります。